√旅人泣かせの鼠さん。

好奇心って云うのは、時にその持ち主に牙を剥くものなのだわ。



11. February. 2007 / Midnight
【マルチルームＡ その道】　★ボーン...　★スノウドロップ...　★白ねずみ...

それに任せてふらりふらりと、適当に歩いてみたは良いけれど、
歩けど歩けど同じ景色…。
見つけたのは、フィーが確実に迷子になったと云う事実だけ。
道の上をちゃんと歩いていたと云うのに、道を失うなんてどういうことなのだわよ…、

けど、フィーは日頃の行いが良いから、いざと云う時は天が味方してくれるのよね。
差し掛かったＶ字路、どちらに進もうか迷っていたら、
左側に、徐々に大きくなる人影が在ったのだわ。
意気揚々と道筋を尋ねようと…する前に、そいつも迷子だって判明。
全く、完全なぬか喜びなのだわよ！
…その後に道案内のシロフクロウさんが声をかけてくれたのは、
やっぱりフィーの日頃の行いだと思うけれど！

何はともあれ、シロフクロウ…スノウの案内で、何とか街の灯りを見つけられて、
その方向に向かって歩いていたの。
そうしたら、きっと街が近くなった証拠ね、看板が立っていたのだわ。
けどその看板、どうも形が歪だったのよ。
なんというか…上半分だけ、ないの。齧られたみたいに。
…実際、齧られていたのだけれど。
犯人の鼠さんはまだすぐ傍に居たのだわ。迷子さんが間違えて掴んでしまう程に。
その鼠さんを見て…目の色を変えたのは、スノウ。大好物みたい。
鼠さんとスノウの命を張った攻防戦は、傍観立場から云えばとっても面白かった。
迷子さんは髪の毛をのっとられそうになって、それどころじゃなかったみたいだけれど。
結局、迷子さんが鼠さんを繁殖してスノウにあげる、ってことで、
その場は収まったのだわ。

とりあえず…、

迷子さんの髪の毛が、本当に白くなってしまわないことを祈るばかり。